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国会質問レポート

Report

2015.6.16 財政金融委員会 質疑


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https://www.youtube.com/watch?v=KbZpQbOMgiY

 

【議事録】

○よろしくお願いします。
今日は、前回に引き続いて、岩田副総裁と議論をさせていただきたいと思います。
最初に、日銀の国債の買入れ基準、一体どういう基準に基づいて現在買入れを行っているかということをお尋ねします。
配付資料の二枚目に日銀提出の資料を付けました。五月末現在の日銀が保有する国債の残高の資料であります。二年債から一番下の物価連動債まで保有残高が記されていて、その右側にそれぞれの銘柄をどの程度保有しているかというシェアが記されています。最後に加重平均の残存年数が記されています。
私、この日銀提出の資料を見てふと思ったんですが、各銘柄ごとの保有基準というのを日銀はどう定めて購入しているのかということが不思議なんです。例えば、ヨーロッパ中央銀行の場合、EU条約でマネタリーファイナンスが禁じられていますので、それを避けるために明確な買入れ基準を設けています。それは二つ、一つは発行体ごとに三三%、そして各銘柄ごとに二五%、こう明確にしています。
我が国の場合、将来、超過準備への付利の引上げが予想されますので、これを見通して、現在、国債買入れ基準を検討するのが当然だと思うんですが、現執行部、二〇一三年の四月四日現在のオペレーションを決定しました。その際、どのように買入れ基準の検討を行って買入れを開始したのか、お尋ねします。

○参考人(岩田規久男君) 量的・質的金融緩和の導入に際しましては、長期国債の買入れについては、イールドカーブ全体の金利の低下を促すという観点から、保有残高が年間約五十兆円に相当するペースで増加するように実施することを決定しました。また、長期国債の買入れ対象を四十年債を含む全ゾーンの国債とした上で、買入れの平均残存期間を、それ以前の三年程度から七年程度に延長することにしました。これは、導入時点ではこれが二%の物価安定の目標を実現するために必要かつ最も適切な施策であると判断したからであります。

○風間直樹君 ということは、各銘柄ごとに、長期国債であれば何年物という銘柄ごとにどの程度のシェアを保有すると、こういう基準は設けていないということですか。

○参考人(岩田規久男君) 長期、イールドカーブ全体を引き下げて名目金利を下げると、それによって金融緩和効果が出るわけですので、その金融緩和の効果の度合いが、今申し上げたような買い方をすることによって二%の物価安定の目標に達成するのに最適だということであります。

○風間直樹君 つまり、現在の日銀執行部の買入れ基準というのは、攻めの方針一方だということですね。守りの方針が全くない。先ほど申しましたように、ヨーロッパ中央銀行の場合は、マネタリーファイナンスを避けると、このEU条約の規定の下で先ほどの二つの条件を買入れ条件として明確に決めている。これが日銀の現執行部には欠落しているということですね。

○参考人(岩田規久男君) 量的・質的金融緩和の導入に際しましては、国債を買い入れていくのはあくまでも金融政策の目的、二%の物価安定目標をできるだけ早期に達成するために行うということで、財政ファイナンスということではないということを明記しております。

○風間直樹君 甚だ説得力に欠ける答弁でありまして、岩田さん、そんな答弁をしていて、マーケットが現在の日銀の国債買入れ、財政ファイナンスではないと納得しますか。とてもしませんよ。
マーケットに、今の日銀の国債購入によって現在の日銀の法定準備金が食い潰されることはないんだ、円の信認が毀損される、崩れることはないんだと、こういうメッセージを送ってほしいと思って私、今の質問をしたんですが、残念ながらそれに応える答弁はありません。
これでは、政府に対して日銀が財政基準を守れと幾ら言っても説得力がない。二倍、二倍と言って国債をどんどん買い入れる。大盤振る舞いじゃないですか。それで政府の背筋がちゃんと伸びますか。
基準がないというのは、支出の心配はしないでいい、任せてくれと、こう言うに等しいんじゃないですか。いかがですか。

○参考人(岩田規久男君) 国債を買っていく、まあ長期国債を中心ですけれども、買っていくのは、あくまでも二%の目標を達成するということ、それを安定的に達成するということであって、それが達成されたにもかかわらず、まだまだ財政再建を何か援助するために国債を買うというようなことはしないということであります。

○風間直樹君 配付資料の一枚目ですが、五月二十八日の日経新聞に、日銀が自己資本の積み増しを行っているという記事が出ました。これは財務の健全性を確保するためだと思うんですが、日銀の目的は何でしょうか。

○参考人(岩田規久男君) 今回の量的・質的緩和は、従来の金融緩和政策とは違って、日銀の収益に非常に大きな振れが生ずるという可能性があると、そのことを踏まえて準備金の積み増しを行ったわけであります。

○風間直樹君 では、どのような場合に今おっしゃった振れが生ずる可能性があると考えていらっしゃいますか。

○参考人(岩田規久男君) それは、実際の市場の金利が、イールドカーブ全体がどういうふうに変化するかとか、そういったことにより影響し、それは日銀の金融政策だけでなく、海外の事情とかにもよりますが、そういったことで振れが生じやすくなっているということで、また、将来もいろいろな経済環境によって金融政策の変更もあり得るわけですので、そういう場合にどうしても収益が、これだけ大量に買うと振れるということであります。

○風間直樹君 先ほどの答弁と矛盾していませんか。さっきは長期国債の銘柄ごとに買入れ基準は設けていないとおっしゃった。今は、将来日銀の財務に振れが出る可能性があるとおっしゃっている。その理由を聞くと、うやむやむやと、はっきりおっしゃらない。こんなことで、日銀の現在の金融政策の運営、マーケットから信用を受けることができますか。
重ねてお尋ねしますが、私は日銀の財務体質がおかしくなる可能性は三つあると思っています。一つ目は、保有国債の利回りと超過準備への付利のバランスの結果、逆ざやが出るというケース、これが一つ目。二つ目は、現在日銀が保有する国債に含み損が出ていくケース。そして三つ目は、今、株を一生懸命購入されている、年間三兆円という目標で、この株に将来含み損が出るというケース。
岩田さん、日銀はこのどれを念頭に自己資本の積み増しをしているんですか。

○参考人(岩田規久男君) 先ほどの収益の振れについて説明が不十分だったということで付け加えますが、まず、今は量を拡大していますので収益は増加する局面にあります。しかし、次第にいつかは出口を迎えなきゃならないとすると、収益が減少するということで振れが生じるということであります。
以上ですが、あと御質問の趣旨は何だったでしょうか。その収益が振れるということと、あとは、出口でその収益が振れていくと、そういうことを全て、可能性は今検討をきちっとしながら金融政策を運営しております。(発言する者あり)

○委員長(古川俊治君) もう一度質問をしてください。よろしくお願いします。

○風間直樹君 質問をちゃんと聞いて答弁してください。もう一回答弁してください。

○委員長(古川俊治君) 質問をもう一度お願いできますか。(発言する者あり)
ちょっと速記を止めてください。
〔速記中止〕

○委員長(古川俊治君) 速記を起こしてください。

○参考人(岩田規久男君) 先ほど言った含み損のお話だと思いますが、それに関しては、日本銀行は、含み損益というのでは、償却原価法というのを国債の評価方法については使用しておりますので、それが評価損失として計上することはありません。

○風間直樹君 私は三つの可能性を挙げました。今おっしゃったのは保有国債に含み損が出るケースです。あとの二つ、逆ざやのケースと株、この含み損、これについて御答弁ください。

○参考人(岩田規久男君) ですから、逆ざや及び含み損、含み損は計上されていませんが、あるいはETF、REITにおいての損失、そういったことを勘案して自己資本の、剰余金の積み上げを行ったということであります。

○風間直樹君 答弁になっていないでしょう、岩田さん。こんな答弁で国会もちませんよ。
もう一回答弁してください。

○参考人(岩田規久男君) おっしゃるとおり、逆ざやが生じということがありますね。ですから、それに対して、したがって、その場合には自己資本が減少していくということがあるということで剰余金を積み増しているということであります。そしてまた、含み損が生じるとかETFなどによって損失が生じる。
しかし、日銀の資産と負債を大きく拡大する結果、出口においてもそうした振れによって日銀券の信用が毀損されるということのないように、今剰余金の積立てを行っているということであります。(発言する者あり)

○委員長(古川俊治君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕

○委員長(古川俊治君) 速記を起こしてください。

○参考人(岩田規久男君) 二つあると。評価損で先ほど申しましたように期間損益に反映されることはないんですが、逆ざやとETFの損失の可能性に対応して準備金を対応しているということであります。

○風間直樹君 ヨーロッパ中央銀行のように、保有する国債それぞれの銘柄について、私たち中央銀行はどれぐらいのシェアを上限に保有しますと、こういう基準を定めていれば、マーケットは、ああ、そうかと、じゃ、ヨーロッパ中央銀行がこの保有国債に仮に含み損が出た場合でも、それぞれの銘柄についてこの程度の含み損が出て、そして法定準備金はこの程度の食い潰しで済むんだなという想定がマーケットは成り立つ。今の日銀はそれが成り立たないんじゃないですか。どうですか。

○参考人(岩田規久男君) 日本銀行は二%の目標を達成するまでやるということでありますが、ヨーロッパの、ユーロの場合も、一応期限を示してはいますけれども、それでも、それが二%の安定していないという限りはオープンエンドで続けるということでありますので、基本的には同じだと考えております。(発言する者あり)

○委員長(古川俊治君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕

○委員長(古川俊治君) 速記を起こしてください。

○参考人(岩田規久男君) きちんと答えているつもりなんですが、要するに、買入れ総額に関してはECBも日銀も最初からオープンエンドであって、何か、どこまでしか買わないということはしていないということでは同じだということでありまして、市場の信認がそれによって異なるということはないと思います。
また、いろいろな、これに関してはどれだけ保有するとか、保有比率をですね、必ずしも決めなくても、きちんと二%の安定目標を達成するためにやっていくんだということを言えば、日銀券の信用が毀損されるということは私はないというふうに思っております。

○風間直樹君 オープンエンドにやっていないでしょう、最初に言ったように。条件を定めてやっているじゃないですか。だから、マーケットとしても、この条件の下であれば、ヨーロッパ中央銀行が保有する国債にもしこれ仮に含み損等出た場合でも、法定準備金の食い潰しはこの程度で済むなという想定が成り立つわけでしょう。今の日銀にはそれがないと言っているんです。ありますか。(発言する者あり)じゃ、明確に言ってください。

○参考人(岩田規久男君) 今、ECBはオープンエンドでないとおっしゃったんですけれども、三月九日に開始して、少なくとも二〇一六年九月までは実施するということですが、中長期的に物価の安定目標、二%未満かつ二%近傍と整合的な物価上昇のペースが持続的に調整が見られるまで継続と、ちゃんとそういう記述にもなっておりますので、基本的にはオープンエンドだと。
むしろ、結果ベースですね、結果できちっと物価安定目標、ECBの物価安定目標までするんだという点で、そういう点では全く日銀もECBも同じだということでありまして、二%の物価安定を超えて、財政を支えるために日本銀行が何か国債を買い続けることはないということを申し上げているわけです。

○風間直樹君 岩田さん、それ全然質問に対する答弁になってない。
今おっしゃっているのは、日銀が達成しようとする目標のことをおっしゃっているんですよ、岩田さんは。私が聞いているのは、今のままだと財政ファイナンスだとみなされるんじゃないかということなんです。そうみなされないために日銀がどういう国債の買入れ基準を持ってやっているのか、その結果、日銀の法定準備金が食い潰されるおそれがない、どうしてないのか、そのことを聞いているんです。もう一回言ってください。

○参考人(岩田規久男君) ですから、二%の物価安定を超えて財政ファイナンスをするわけじゃありませんので、その心配はないということを申し上げているんです。(発言する者あり)

○委員長(古川俊治君) 一回速記を止めてください。
〔速記中止〕

○委員長(古川俊治君) 速記を起こしてください。

○参考人(岩田規久男君) 要するに、二%を達成するために、物価安定の目標のために長期国債を買っているんであって、そのことに関して、そういう、中央銀行が物価安定のために長期国債などを買うということに対して、それが財政ファイナンスだと言っているような、私、国はないというふうに思います。アメリカにしろ同じことをやったわけですね。物価安定の二%と、アメリカの場合は雇用の最大化がありますけれども。ECBも同じですね。あるいはイギリスのイングランド銀行も同じですね。要するに、物価安定のために長期国債を随分買ったわけです。
先ほど申したのは、二%安定的になるまでは、だから、財政ファイナンスのためにやっているんじゃないということを申し上げているんです。これはどこの中央銀行でも同じです。

○風間直樹君 岩田さん、副総裁の発言は非常に重いです。一つ一つの発言について慎重に正確に御発言をください。でないと、マーケットに混乱を与えます。
私、日銀の副総裁という方が、これほど楽観的な思い込みで日本銀行の金融政策の運営を行っているとは思いませんでした。今日びっくりしました。自分たちが目指す目標はここなんだ、これは財政ファイナンスじゃないんだ、アメリカの金融当局も同じことをやっているんだ、だからマーケットに対して誤解を与えないんだと、そんなメッセージが通用しますか。
保有国債と超過準備への付利、この利回りが将来逆転する可能性もあります。それをマーケットは非常に心配している。それに対して、そんな心配はない、我々は今財政ファイナンスをやっているけど、二%を超えたらしない、だから不安に思わないでくれと、こういう御答弁じゃないですか。いかがですか。

○参考人(岩田規久男君) 今、財政ファイナンスやってはおりません、先ほどから言っているように。二%物価安定の目標のためにやって、金融政策の目的でやっているためで、財政がどうであれ、これは、今財政が例えば健全でも同じことをやっているわけなんです。デフレ脱却のためには、同じような政策を恐らくやっていると思います。
それから、将来、付利金利をもし上げるということがあれば、おっしゃるような逆ざやというようなことも生ずるということはあると思いますが、しかし、それは必ずしも、どれだけの逆ざやになるかというようなことは、今具体的には計算はなかなか難しいという状況だと思います。
ただ、中央銀行というのは、長期的にはやはり通貨発行益というのがあって、収益はきちっとプラスになっていくという、中長期的に考えればそれでいいと。例えば、一時的に逆ざやになっても、それは日本銀行券を毀損するような問題ではないということであります。

○風間直樹君 過日、この委員会で確認しましたら、日銀保有国債の平均利回りは〇・四七三%だと。これに対して、現在、超過準備への付利は〇・一%。その差は僅か〇・三七三%です。
内閣府が今年の二月に公表した中長期の経済財政に関する試算によると、名目長期金利は一八年に三%、また、二一年には四・三%を超え、さらに消費者物価上昇率は二%を超えると想定されています。
この場合、現在の日銀の国債ポートフォリオを前提とすれば、保有国債の利回りと超過準備への付利の逆ざやによって日銀が被る年間の損失額が出てくると私は思う。マーケットもそれを恐れている。でも、今、岩田さんは、それは、おそれはないとおっしゃったんですね。その損失見込みも試算も行っていないとおっしゃったんですね。本当ですか。

○参考人(岩田規久男君) 出口において、どういう政策によるかによって、その収益の状況がいろいろ異なってきます。付利の場合もあるでしょうし、そうでない場合もあるでしょうが、そういうものによっていろいろ収益異なっているので、一応それがどういうパターンになるかということは試算はしておりますが、ここで具体的に申し上げるという段階ではないというふうに思っております。

○風間直樹君 では、その試算の結果、どういう認識をお持ちになっているんですか。

○参考人(岩田規久男君) 全く問題ないというふうに認識をしております。

○風間直樹君 果たして本当にそうなんでしょうか。この保有国債の平均利回りと超過準備への付利の差が僅か〇・三七三%です。
米国の場合は、はるかに高いですよね。日本の場合、まさに薄氷を踏む状況です。これで本当に全く問題ないんだという認識をお持ちなんですか。

○参考人(岩田規久男君) 基本的には問題ないというふうに思っていますが、市場で心配が生じるというような場合があり得るという可能性も考えて、剰余金の積立ても行っているということであります。

○風間直樹君 日経新聞のこの配付資料の記事ですが、ここにこうあります。「仮に長期金利が一%上昇すれば十兆円規模の評価損が生まれ「量を減らしたくても売却できない状況に陥る恐れがある」」。また、同じ五月二十八日付けのフィナンシャル・タイムズ、こういう記事が出ました。日銀がインフレ率二%の目標達成に成功し、仮に短期金利を三%に引き上げれば、毎年数兆円単位での業務損失を発生させかねない。これに対して、FEDは、日銀とほぼ同規模の資産を保有しながら、米国債やMBSに付いている金利が高いため、日銀の八倍の利益を得ていると。
八倍の利益のFEDでさえ、公開された議事録を読むと、岩田さんよりはるかに深刻な認識を持って金融政策の運営に取り組んでいますよ。だから、私は心配をして、今日、法定準備金の積み上げと自己資本比率についてお尋ねしたんです。でも、あなたは全く心配がないんだとおっしゃる。本当にそんな答弁でいいんでしょうか。
岩田さん、もっと明確に答弁してください。マーケットが納得するような答弁をしてください。

○参考人(岩田規久男君) 当然、量的・質的金融緩和というのは日本銀行の財務に影響を与えるわけですが、日本銀行の責務は、物価の安定のために必要な政策をやっているわけでありまして、財務のもちろん健全性に留意しながら必要な政策を行っているということであります。目的はあくまでも物価の安定にあるということを御理解いただければと思います。

○風間直樹君 物価の安定に目的はあるんでしょうが、その目的を目指して今、日銀の行っている政策運営が、攻める一方で守りの策が全然ないんじゃないのということを今日私は言っています。国債の保有銘柄ごとの買入れの基準もない、将来逆ざやが生じる可能性がある、保有国債に含み損が出るケースもある、株の含み損も想定される。自己資本が食い潰されないかということを心配しています。
それに対して、今日の岩田さんの答弁は、全く御懸念には及ばないということでありました。私は、岩田さんの答弁を聞いていて、今日、納得することが全くできません。
時間が来ましたので、今日はここで終わります。

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